2300

製作:2022年 米国 上映時間:117分 監督:リシェラー・アラディン

 本作でメガホンを取ったリシェラー・アラディンは、これが唯一の監督作品であるという。経歴の詳細は不明だが、その仕上がりを見る限り、経験の乏しさを疑われても致し方ない出来と言わざるを得ない。

 物語は、2300年からある使命を帯びて2023年へとやって来た男アシュトンを中心に展開する。彼はネット上で「謎の預言者」として活動を始め、近未来に起こる出来事を次々と的中させていく。その結果、人々の関心を集め、やがてマスコミも巻き込んで騒動は広がっていく。

 導入部の流れ自体は決して悪くない。むしろ、発想としては興味をそそられるものがある。しかし、その後の警察の対応や物語の展開はどこか噛み合わず、観る者を作品世界へと引き込む力に欠けている。

 また、本作は低予算SFの典型とも言える作りで、未来の描写はほとんど省略され、会話によって説明が補われるばかりだ。その結果、肝心の「未来で何が起きたのか」「なぜ過去に来たのか」「どうすれば世界を救えるのか」といった核心が曖昧なまま残され、物語は終始輪郭を結ばない。

 脚本の奥行きは浅く、視覚的な見どころにも乏しい中で、約2時間という上映時間はかなり長く感じられる。興味深い設定を持ちながら、それを十分に活かしきれなかった点が惜しまれる一本である。

評:蔵研人

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