
製作:2021年 オランダ 上映時間:85分 監督:モーリス・トルーボルスト
オランダ製のSF映画を観るのは、これが初めてだった。
物語の舞台は2050年。
急速な地球温暖化によって地表は荒廃し、大気は汚染され、人類は滅亡の瀬戸際に立たされている。このままでは地球そのものが崩壊し、生物はすべて死に絶えてしまうだろう。その未来を回避する唯一の手段は、タイムマシンによって過去へ遡り、温暖化を引き起こした原因を阻止することだった——。
設定自体は、SF映画として決して目新しいものではない。だが、シャトル型タイムマシンを宇宙空間へ打ち上げ、ワームホールに突入することで時間を遡行するという理屈には、一定の説得力がある。また、25年前に到着した瞬間、主人公が肉体的に25歳若返るという描写も、SF的な論理としては納得できる範囲だ。
しかし、製作費の制約は否応なく画面に現れる。簡素な造形のシャトルを見るにつけ、これでワームホールを通過できるのだろうか、と冷静に考えてしまう。また、世界の命運を握る存在が二人の子供であるという設定も、やや予定調和的で、子供向け作品の枠を出ない印象は否めない。
それでも本作は、「地球の自然破壊が温暖化を招き、人類の未来を閉ざす」という厳しい現実を、次の世代に伝える映画としての役割を確かに果たしている。また領土や資源を巡る戦争もまた同根の問題であり、人間が目先の利益に囚われ続ける限り、真の平和が訪れることはないだろう。
本作は、その不都合な真実を、静かに、しかし確かな声で語りかけてくる。
評:蔵研人
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