オーバー・スピード

製作:2020年 ロシア 上映時間:83分 監督:アンドレイ・ザギドゥーリン

 ロシア製のSF映画である。現在ではロシアとの貿易が制限されているだけに、この作品はウクライナ侵攻以前に輸入されたものだろうか——そんな時代背景を思わず意識してしまう。

 物語の中心にあるのは、特定の場所で心拍数が200を超えると時間を超越するという「時間周波理論」。理屈としては荒唐無稽だが、その突飛な発想がかえって新鮮で、不思議な説得力すら感じさせる。

 連続殺人事件の現場で常にランニングをしていたことから、容疑者として指名手配される主人公。自らの無実を証明するため、彼は心拍数を限界まで高め、時空を越えて真犯人を追う。しかし、過去と現在を行き来しても、なかなか真実には辿り着けない——。物語そのものはやや散漫だが、最後に待ち受ける意外な結末が印象的である。

 ただし、捜査担当の女性刑事が突如として主人公に抱きつき、そのまま性的関係を結んでしまう展開は、ご都合主義のそしりを免れない。とはいえ、彼女の魅力的な存在感が作品に華を添えているのも確かだ。観客へのサービス精神と受け取れば、苦笑しつつも許してしまうだろう。


評:蔵研人
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