MONDAYS このタイムループ

製作:2022年 日本 上映時間:82分 監督:竹林亮

  一週間のタイムループを延々と繰り返す広告代理店の社員たちの奮闘を描いた、異色のSFコメディである。舞台はほとんどが狭いオフィスの一室、登場人物もほぼ無名の俳優十名足らずという超低予算作品だ。

 タイムループという題材自体はもはや珍しくないが、限られた空間で登場人物全員が徐々にその異常事態を理解していくという構成が新鮮である。さらに、「上司にだけループの存在を気づかせなければ終わらない」という設定は、日本のサラリーマン社会に根付く上下関係や同調圧力を痛烈に風刺しており、笑いの中に鋭い社会批評を潜ませている。

 タイムループの原因は部長にあるものの、当の本人だけがその事実に気づかない。社員たちは一丸となって部長に現状を理解させなければ、永遠に同じ一週間を繰り返す羽目になるのだ。その過程で、彼らが組織の中で自我を越え、協働していく姿が描かれていく。

 出演者は無名の俳優が多いが、いずれも個性的で説得力のある演技を見せている。中でも、キャリア志向の女性社員・吉川朱海を演じた円井わんの存在感が際立っていた。彼女はこれまでも個性派俳優として様々な作品に出演しており、本作でも確かな印象を残している。

 本作はタイムループ映画としての完成度も高いが、それ以上に『カメラを止めるな!』のように、発想と構成の妙で勝負した低予算映画として光る一篇である。派手な映像やスター俳優に頼らず、脚本と演出の力で観客を引き込むその姿勢は、まさに日本インディーズ映画の醍醐味と言えるだろう。
 ただ、テレビドラマでも成立しそうな規模の物語であるため、「映画館で観る価値」をどう判断するかは観る者に委ねられている。しかし、それを含めてもなお、本作がもたらす小さな驚きと温かな余韻は、現代の映画シーンに確かな意義を刻んでいる。


評:蔵研人

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