
★★★☆
製作:1998年 日本 上映時間:99分 監督:米田興弘
モスラ映画の嚆矢は1961年にまで遡る。
東宝が『ゴジラ』『ラドン』に続く新たな怪獣スターとして満を持して世に送り出した本作は、構想三年、製作費二億円、撮影日数200日という、当時としては破格のスケールを誇る特撮大作であった。
その後もモスラは数々の作品に登場し、先の二怪獣と並んで「東宝三大怪獣」と称される存在となる。従来の怪獣映画に比して、より濃厚なファンタジー性を帯びている点が、この怪獣の大きな特徴である。
本作『モスラ3 キングギドラ来襲』は、平成ゴジラシリーズ(1984年〜1995年)の終幕から、ミレニアムシリーズ(1999年〜2004年)開始までの空白期間に製作された、いわば“つなぎ”の怪獣シリーズであり、同時に「平成モスラシリーズ」の最終章でもある。
最大の見どころは、数々の変身を重ねてきたモスラが、宿敵キングギドラを打ち倒すため白亜紀にタイムスリップし、究極の戦闘形態〈鎧モスラ〉へと姿を変え、最後の戦いに挑む場面だろう。
本来であれば全く歯が立たない相手に対し、モスラは自らの弱点である身体の柔軟さを克服すべく、全身を金属のような外骨格で覆う。〈鎧モスラ〉は、キングギドラの強力な引力光線すら弾き返すほどの強度を備え、翼の前縁は鋭利な刃と化し、あらゆる物質を切断・破壊する“翼カッター”として機能する。
本作には自衛隊や防衛組織は一切登場しない。描かれるのは、ただ空中で激突するモスラとキングギドラ、その二者の戦いのみである。ゴジラ映画に見られるようなプロレス的な肉弾戦もなく、純然たる空中戦に特化した構成だ。
そんな中、プロレスラーの大仁田厚が主人公の少年の父親役で出演しているのは、どこか微笑ましくも可笑しい。いまだかつてないほど大勢の子役エキストラが登場する点も含め、本作はよくできた「お子様ランチ」のような一作だと言えるだろう。
評:蔵研人
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