タイムトラベル 本と映画とマンガ

 本ブログは、タイムトラベルファンのために、タイムトラベルを扱った小説や論文、そして映画やマンガなどを紹介しています。ぜひ気楽に立ち寄って、ご一読ください。

2025年12月

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編

東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編

★★★☆
製作:2023年 日本 上映時間:運命 90分 決戦 96分 監督:英勉

 和久井健の人気コミック『東京リベンジャーズ』を北村匠海主演で実写映画化し、大ヒットを記録したのはいまだ記憶に新しい。その続編を望む声に応える形で、本作『血のハロウィン編』は第二部として製作され、『運命』『決戦』の二編構成で公開された。

 第一作鑑賞時には原作未読だったため気づかなかったのだが、原作やアニメに触れた後で本作を観返すと、マイキーやドラケンをはじめとする主要人物たちの再現度の高さに驚かされる。単なるメーキャップの力だけではなく、原作の空気を体現できる俳優を丹念に選び抜いた結果なのだろう。

 物語は、救えたはずの橘日向が、凶悪化した東京卍會によって再びタケミチの目前で命を落とすという、あまりにも残酷な運命から幕を開ける。さらに今回は、東京卍會創設メンバーであるマイキー、ドラケン、場地、三ツ谷、パーちん、一虎の六人のうち、場地と一虎が組織を離脱し、敵対勢力・芭流覇羅(バルハラ)へ身を投じるに至る経緯が中心に描かれていく。

 かつて固い絆で結ばれていた仲間たちが刃を向け合う————東京卍會崩壊へとつながる決戦の火蓋が、ついに切られるのだ。タケミチはそれぞれの想いの重さを受け止めながら、最悪の未来を回避し、ヒナタと仲間たちの運命を変えるべく戦いに身を投じていく。

 本作が前後編に分けて公開された理由について、制作側は「一本に収めるには物語の分量があまりにも膨大だった」と説明している。確かに原作の密度を考えれば理解できる判断ではあるが、近年では三時間前後の大作も珍しくない。導入部、エンドロール、回想シーンなどの重複部分を整理すれば、一本の作品としてまとめることも不可能ではなかったはずだ。

 ただ実際、前後編合計の興行収入は42億円を超えており、仮に一本にまとめていた場合、この数字に届いたかどうかは疑わしい。そう考えると、二部作とした判断には、物語上の必然だけでなく、興行的な戦略も大きく影響していたと見るのが現実的だろう。

 とはいえ、全31巻・全278話に及ぶ原作を、映画という限られた枠で完結させることは容易ではない。本作もまた、物語の最終章には到達していない。続編への期待は高まるばかりだが、現時点では正式な製作発表はない。ただし、興行成績やキャストのスケジュール次第では、その可能性が断たれたわけではないだろう。

 もっとも、物語の中心が高校生時代である以上、時間の経過とともにキャストの年齢との乖離が避けられなくなる。その意味でも、このシリーズが次の一手を打つ猶予は、決して長くはないのかもしれない。

評:蔵研人

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キャプテン・ノバ3

キャプテン・ノバ

製作:2021年 オランダ 上映時間:85分 監督:モーリス・トルーボルスト

 オランダ製のSF映画を観るのは、これが初めてだった。

 物語の舞台は2050年。
 急速な地球温暖化によって地表は荒廃し、大気は汚染され、人類は滅亡の瀬戸際に立たされている。このままでは地球そのものが崩壊し、生物はすべて死に絶えてしまうだろう。その未来を回避する唯一の手段は、タイムマシンによって過去へ遡り、温暖化を引き起こした原因を阻止することだった——。

 設定自体は、SF映画として決して目新しいものではない。だが、シャトル型タイムマシンを宇宙空間へ打ち上げ、ワームホールに突入することで時間を遡行するという理屈には、一定の説得力がある。また、25年前に到着した瞬間、主人公が肉体的に25歳若返るという描写も、SF的な論理としては納得できる範囲だ。

 しかし、製作費の制約は否応なく画面に現れる。簡素な造形のシャトルを見るにつけ、これでワームホールを通過できるのだろうか、と冷静に考えてしまう。また、世界の命運を握る存在が二人の子供であるという設定も、やや予定調和的で、子供向け作品の枠を出ない印象は否めない。

 それでも本作は、「地球の自然破壊が温暖化を招き、人類の未来を閉ざす」という厳しい現実を、次の世代に伝える映画としての役割を確かに果たしている。また領土や資源を巡る戦争もまた同根の問題であり、人間が目先の利益に囚われ続ける限り、真の平和が訪れることはないだろう。

 本作は、その不都合な真実を、静かに、しかし確かな声で語りかけてくる。

評:蔵研人
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「時間」はなぜ存在するのか

「時間」はなぜ存在するのか

★★★☆
著者:吉田伸夫

 著者は東京大学理学部を卒業し、同大学院博士課程を修了した理学博士である。専門は素粒子論だが、科学哲学や科学史など、学問の境界を越えて幅広い研究を続けている。

 本書は、そもそも時間とは何なのか、私たちが“時間の流れ”を感じるのはなぜなのかといった根源的な疑問に、できる限り平易な言葉で迫ろうとする一冊である。もっとも、学者としての習性ゆえか、ところどころ難解な概念や理論も顔を出す。しかし、『時をかける少女』や『火の鳥 未来編』、『インターステラー』、『スタートレック』といった小説・マンガ・映画の例を巧みに織り交ぜて説明してくれるため、読者が藪の中に置き去りにされることはない。

 さらに著者は、生命の歴史に刻まれた時間、そして宇宙の始まりから終焉に至る壮大な時間のスケールにまで視野を広げ、時間という概念の多層的な姿を描き出す。

 いずれにしても素人の私には、本書を解説したり評価する能力は存在しないので、その目録だけを次に記しておきたい。

はじめに 何もない場所に時間は流れる?

第1章 時間はどこにあるのか
1.硬直したニュートンの時間
2.時間の伸び縮みが重力を生む
3.アインシュタインの時空

第2章 「流れる時間」という錯覚の起源
1.始まりの謎
2.ビッグバンは爆発ではない
3.宇宙は壊れていく

第3章 循環する時間、分岐する時間
1.循環する時間
2.未来はどこまで定まっている?
3.分岐する時間

第4章 いきものの時間、人間の時間
1.物質世界も進化する
2.生命誌から見た時間
3.人間にとって時間とは

第5章 時間の終わり
1.壊れていく宇宙の末路
2.人間と時間

以上である

評:蔵研人
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ふたつの星とタイムマシン

ふたつの星とタイムマシン

★★★☆
著:畑野 智美


 本書は「小説すばる」に掲載された5作品に、書き下ろし2作を加えた短編集である。また表題作『ふたつの星とタイムマシン』という短編は見当たらないものの、タイムマシンを題材とした書き下ろし作として『過去ミライ』がその役割を静かに引き継いでいる。

 収録されている7つの短編を、簡単に紹介しておきたい。

1.過去ミライ
 大学教授が研究するタイムマシンに乗り、過去の自分へ「ある男性に告白するよう」仕向ける女性の物語。

2.熱いイシ
 「好き」か「嫌い」かを見分ける不思議な石をめぐるエピソード。

3.自由ジカン
 時間を自在に操る力を持つ少女を描いた、ささやかな成長譚。

4.瞬間イドウ
 テレポーテーション能力を使い、気軽に海外旅行へ飛び回るOLの日常。

5.友達バッジ
 服につけるだけで、いじめっ子とも自然と打ち解けてしまうバッジをめぐる物語。

6.恋人ロボット
 至れり尽くせりの恋人ロボットの発明によって、「人間の恋人」の存在意義が揺らぐ世界を描いた一篇。

7.惚れグスリ
 その名のとおり、媚薬をめぐる小さな騒動を描いている。

 いずれの作品も、近未来に芽生えるときめきや友情をやわらかく照らし出し、読後にほのかな温もりを残してくれる。そんな、優しい光を帯びたSF短編集である。


評:蔵研人

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