
★★★☆
製作:2023年 日本 上映時間:運命 90分 決戦 96分 監督:英勉
和久井健の人気コミック『東京リベンジャーズ』を北村匠海主演で実写映画化し、大ヒットを記録したのはいまだ記憶に新しい。その続編を望む声に応える形で、本作『血のハロウィン編』は第二部として製作され、『運命』『決戦』の二編構成で公開された。
第一作鑑賞時には原作未読だったため気づかなかったのだが、原作やアニメに触れた後で本作を観返すと、マイキーやドラケンをはじめとする主要人物たちの再現度の高さに驚かされる。単なるメーキャップの力だけではなく、原作の空気を体現できる俳優を丹念に選び抜いた結果なのだろう。
物語は、救えたはずの橘日向が、凶悪化した東京卍會によって再びタケミチの目前で命を落とすという、あまりにも残酷な運命から幕を開ける。さらに今回は、東京卍會創設メンバーであるマイキー、ドラケン、場地、三ツ谷、パーちん、一虎の六人のうち、場地と一虎が組織を離脱し、敵対勢力・芭流覇羅(バルハラ)へ身を投じるに至る経緯が中心に描かれていく。
かつて固い絆で結ばれていた仲間たちが刃を向け合う————東京卍會崩壊へとつながる決戦の火蓋が、ついに切られるのだ。タケミチはそれぞれの想いの重さを受け止めながら、最悪の未来を回避し、ヒナタと仲間たちの運命を変えるべく戦いに身を投じていく。
本作が前後編に分けて公開された理由について、制作側は「一本に収めるには物語の分量があまりにも膨大だった」と説明している。確かに原作の密度を考えれば理解できる判断ではあるが、近年では三時間前後の大作も珍しくない。導入部、エンドロール、回想シーンなどの重複部分を整理すれば、一本の作品としてまとめることも不可能ではなかったはずだ。
ただ実際、前後編合計の興行収入は42億円を超えており、仮に一本にまとめていた場合、この数字に届いたかどうかは疑わしい。そう考えると、二部作とした判断には、物語上の必然だけでなく、興行的な戦略も大きく影響していたと見るのが現実的だろう。
とはいえ、全31巻・全278話に及ぶ原作を、映画という限られた枠で完結させることは容易ではない。本作もまた、物語の最終章には到達していない。続編への期待は高まるばかりだが、現時点では正式な製作発表はない。ただし、興行成績やキャストのスケジュール次第では、その可能性が断たれたわけではないだろう。
もっとも、物語の中心が高校生時代である以上、時間の経過とともにキャストの年齢との乖離が避けられなくなる。その意味でも、このシリーズが次の一手を打つ猶予は、決して長くはないのかもしれない。
評:蔵研人
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