
★★★☆
著者:東野圭吾
著者:東野圭吾
本作は『探偵ガリレオ』シリーズのうち五作をまとめたもので、全作がオカルト風味のミステリーである。つまり探偵ガリレオこと物理学助教授・湯川学が、オカルト事件を科学的に解明して行くという流れである。そしてこの湯川がホームズ役を担当するなら、友人の草薙刑事がワトスン役を演じているようだ。
なお収録されているのは次の五編である。
第一章 夢想る (ゆめみる)
16歳の少女の寝室に忍び込んだ男は、17年前からその少女と結ばれる運命にあったのだと供述する
第二章 霊視る (みえる)
同時間に別の場所で殺害された彼女の霊を見た男の話の真偽
第三章 騒霊ぐ (さわぐ)
ある時間になるとポルターガイスト現象を引き起こす家と殺人事件の関連
第四章 絞殺る (しめる)
絞殺された男の娘が見た火の玉とは
第五章 予知る (しる)
少女が見たのは現実なのか予知夢だったのか
ざっとこんな感覚でストーリーは展開されてゆくのだが、薄くて読み易い割には論理的で品質の良い作品に仕上がっているので、興味の湧いた方は是非一読されてはいかがであろうか。
評:蔵研人