タイムトラベル 本と映画とマンガ

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2023年03月

タイムスリップ明治維新

★★★☆
著者:鯨統一郎

 著者のタイムスリップシリーズは、『タイムスリップ森鴎外』に始まり、本書の『タイムスリップ明治維新』以下、『タイムスリップ釈迦如来』、『タイムスリップ水戸黄門』、『タイムスリップ戦国時代』、『タイムスリップ忠臣蔵』、『タイムスリップ紫式部』、『タイムスリップ聖徳太子』、『タイムスリップ竜馬と五十六』、『タイムスリップ信長vs三国志』の10編が数えられる。その中でも著者自身が1、2を争う出来だと豪語しているのが本作なのである。

 初回作の『タイムスリップ森鴎外』では、森鴎外が現代の渋谷にタイムスリップし、高校生の麓うららたちと知り合い、助けられながら過去に戻って行くという話だった。ところが今回は、現代人の麓うららが明治維新にタイムスリップし、そこで7年間も過ごすことになるのである。そして薩摩藩士の中村半次郎に処女を捧げ、そのあと桂小五郎、岩倉具視ともセックスすることになるのだ。

 前作の『タイムスリップ森鴎外』ほどではないが、やはりかなりハチャメチャでご都合主義な展開ではあったが、相変わらず読み易いのであっという間に読破してしまった。かなり軽過ぎるかもしれないが、寝転びながら楽しんで歴史の概要を掴みたい人には受けるかもしれないね。

評:五林寺隆

タイムスリップ森鴎外

★★★☆
著者:鯨統一郎

 大正時代の文豪・森鴎外が何者かに命を狙われ、崖から墜落して意識を失ってしまう。だが気が付くとそこは…な、なんと現代の渋谷道玄坂下だったのである。
 そしてチンピラと揉みあいになっているときに、超ミニスカートの女子高校生うららと七海に助けられるのだ。これを機に鴎外は彼女たちとその仲間四人と親しくなり、なんとか現代で生活できるようになる。
 大正人にも拘らず飲み込みが早く適応能力抜群の鴎外は、和服を脱ぎユニクロの服を着て、髪を金髪に染めサングラスをかけて、ウォークマンを聞きながら渋谷の街を闊歩する。さらにはケータイで女子高生にメールをし、カラオケボックスで熱唱し、な・な・なんと、渋谷の街頭でラップまで披露するのである。だが安穏とした日々は長く続かず、さらに彼の命を狙って追いかけてくる刺客が二人現れるのだった。

 と……なにせ奇想天外ハチャメチャな展開のタイムスリップ小説なのだ。だが読み易い文章でテンポ良く話が弾むので、遅読の私でもあっという間に読了してしまった。ただ犯人捜しの部分はかなりこじつけ感が漂いくどさも残ったかな。
 いずれにせよ森鴎外に抱いていた「堅いイメージ」がぶっ飛んでしまうことだけは間違いないだろう。ちなみに著者である鯨統一郎は覆面作家と言われているのだが、「タイムスリップシリーズ」10作以外にもかなりの数のシリーズものを手掛けているし、全般的にもの凄い著作量をこなしているではないか。もしかすると「鯨統一郎」とは個人名ではなく、数名で構成する小説プロダクション名なのかもしれないね。

評:蔵研人

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