製作:2002年 日本 上映時間:118分 監督:山崎貴

 地球の破滅を救うため、暗い末来からタイムスリップしてくる少女(鈴木あん)と仕事屋(金城武)が協力して悪を滅ぼし、地球を救うというマンガチックなストーリーである。映画の中味は、「マトリックス」「ET」「インディペンスデー」などのパクリだらけで、たった2人で世界を救うという、余りにも小さすぎるスケールにちょっと恥ずかしくなる。

 ただこの映画のCGだけは、よく出来ている。さすが特撮第一人者の山崎監督である。またパクリとはいえ、これまでの邦画でこれだけ大胆なSFアクション映画があったであろうか。せいぜい「ゴジラ」などの怪獣映画くらいであるが、この映画はそうした従来の日本的SF映画とは、本質的な構造が全く異なっている。

 そうした意味では、もう少しストーリーを練って金を使えば、世界のアクション映画に決してひけをとらない作品に仕上がるのでないだろうか。さらには、ラストのタイムパラドックス的などんでん返しも、なかなか味があって良かったね。今後の邦画系SF系アクションに期待したいものである。

評:蔵研人