★★★☆
著者:眉村卓
タイムトラベルも絡んでくる学園SFミステリーである。氏名、生年月日、血液型、住所、職業、性別などを総合し、人間を260のタイプに分類し、それぞれのタイプごとにその年の全ての日についての出来事が記載されているという画期的な占い本が発売された。
その本に記載された運命は、まるで未来予告のようにぴたりと当たるものだから、次第にマスコミも取り上げることになり、どんどん販売部数が増加してゆくのだった。
ところがその本を手にした主人公の運命は、11月から先が空白となっていたのである。つまり彼は10月末に死亡するということなのだろうか。そんなことを悩んでいるうちに、主人公の親友と彼女が何者かに拉致され、行方不明になってしまうのである。
占い本を発行しているのは誰だ、そして親友たちを拉致したのは誰か、さらにはそれらの真の目的は何なのか?。古い作品でかつジュニア向きなので、少し陳腐感が漂うのは否めないかもしれない。ただ低年齢層向けのジュブナイル小説としては、良くも悪くも無難な内容ではないだろうか。
評:蔵研人