著者:蘇部健一
イケメンパパの小早川は、美しい妻と可愛い娘に恵まれ、平和で幸福な日々を送っていた。ところがある日、娘が何者かに誘拐され、そのまま生死も確認出来ないまま行方不明となる。さらにそれを苦にした妻が自殺をし、彼はさらに苦境に追い込まれるのだった。
その後にひょんなことから、彼は再婚することになるのだが、生まれてきた二人目の娘は、不治の病に侵されてしまう。度重なる悲劇に、彼は絶望の淵にたたされる。
だが娘を難病から救う方法がひとつだけあるという。それは、何と秘密のタイムマシンに乗って未来へ行き、そこですでに完成している難病の薬を手に入れるという荒唐無稽な話だった。
タイムトラべルにからむパラドックスが盛り沢山なのだが、広瀬正やハインラインなどの臭いが強烈にする。また人間として絶対にやってはいけないことを平然と描いているのも気になった。
だから何となくキワモノの感があるのだが、タイムトラべルファンなら夢中になってあっという間に読破してしまうことだろう。
評:蔵研人