製作:2009年 米国 上映時間:102分 監督:バー・スティアーズ

 高校バスケットボールのスター選手マイクは、大学のスカウトが見守る大事な試合を投げ出し、恋人・スカーレットの元へ走る。スカーレットが妊娠したためである。
 だがそのために、大学進学は不可能となり、過去の栄光も水の泡。20年間、毎日それを悔やむ人生を続けたため、妻子に見捨てられ、家庭は崩壊寸前。そのうえ会社での昇進も、完璧に絶望的な状態となる。
 八方塞がりのマイクには、もしもう一度青春時代に戻れたらと、強く悔やみ・念ずる以外に成すすべがない。ところがその願いが通じたのか、ある大雨の日に17歳の姿に戻っている自分を発見して驚愕する。

 このお話は『リプレイ』のように、若かりし日にタイムスリップするのではなく、同時代に体だけが若返るのである。だから人生をやり直すといっても、昔と同じ環境で再出発するわけではないのだ。
 従って、マイクの感性は現代高校生としては、古過ぎてオジン臭い。そのうえ編入する高校には、娘と息子も通学しているのである。いってみれば、トム・ハンクスの『ビック』の逆バージョンなのだ。
 そこがなかなか面白いし、若かりし日のマイクを演じたザック・エフロンの好演も光っていたね。また彼のクールなイケ面とオジンの感性がブレンドされ、なかなか好感の持てる青年に仕上がっているじゃないの。僕はゲイじゃないけど、オジさんからみても惚々するほどカッコ良くみえたね。

 お決まりのパターンかもしれないけれど、息子との友情と妻への愛情にはウルウルとなってしまった。さらに娘に迫られて、必死に逃げ回わるシーンには大笑い。
 そしてラストシーンは、100%予想通りの展開であったが、それでも胸にジーンときてしまう。ハラハラ・ドキドキ、笑いあり涙ありで、おまけに「後ばかり振り返らず、前を見よう!」という教訓付、絵に描いたようなハッピーエンド。いくつか辻褄の合わない部分もあるが、僕はこういう話に心が癒される気質なのだから、楽しくて嬉しくてしょうがない。

評:蔵研人