著者:友乃雪
児童向けの小説なのだが、大人が読んでもそこそこ楽しめるのが嬉しいので、子供に読ませる前に一読してみてはいかが。また本作は2008年に第25回福島正実記念SF童話賞大賞を受賞している優れモノなのだ。
ある日突然、ぼくの部屋の壁に黒い渦巻が発生し、その中から小さいぼくと大人のぼくが飛び出してくる。小さいぼくは過去の世界から、大人のぼくは未来からやってきたのだった。
未来では大変なことが起きている。それを修正するために未来からぼくはやって来たのである。そしてぼくたち三人で協力して、盗まれた父さんの発明品を奪還し、未来を救う行動に出るのであった。
子供向けで大きく見やすい文字に、全ての漢字にフリガナがふってあり、僅か80頁なので30分くらいであっという間に読破してしまうだろう。もちろんラストはパッピーで単純、大人にはやや物足りないが子供には喜ばれそうである。
評:蔵研人