タイトルの『バタフライ・エフェクト』とは、一羽の蝶が羽ばたいただけで、地球の裏側で、竜巻が起こるという「カオス理論」のひとつだという。つまり、何でもないことを変えたために、大きな変化が起こる場合のたとえなのである。

 繊細でlQの高い美青年が、少年時代の日記を読むことによって、少年時代の意識に介入出来る能力を発見する。そして自分のせいで不幸になり、自殺してしまった幼な馴染みの少女を救うため、過去の自分の行動を何度も変えてみるのだが・・・。
 この作品は、タイムテーマとミステリーを上手に組み合わせ、そこにスタンド・バイ・ミー風味をブレンドしたような間口の広い大秀作である。また何度過去を変えても、事態はなかなか好転せず、イライラさせながらも、ラストでは「一番大切なもの」を切り捨てることによって、全員が救われるという皮肉なハッピーエンドを用意している。

 製作費は余りかけていないようだが、久々に「本物の映画」を観た感があった。ただのんびりと観ていると、状況把握が困難になり、何が何だか判らなくなるので、じっくりと真剣に観る必要があるかもしれない。
 またよく判らなかった人には、映像写真付きの文庫本が発行されているので、解説書代わりに読んでみたらどうだろうか。内容は映画と全く変わらないので、複雑なストーリー展開が良く理解出来るはずだ。但しラストの一行?だけは映画と大きく違っているのでご注意。

評:蔵研人