作者:村上もとか

 いきなり2000年の現代から幕末の時代にタイムスリップしてしまった脳外科医・南方仁の活躍を描いたマンガである。僅かながらだが、現代の医療器具を持っていたことと、主人公南方仁の近代医療知識のお陰で、彼は一躍幕末時代の天才医師となってしまう。

 単行本は全20巻の大長編マンガで、その医療知識も豊富で的確である。また2011年5月には、第15回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞している。
 勝海舟、坂本龍馬、西郷隆盛など、歴史上の重要人物も大勢登場するが、タイムパラドックスが起こらないように上手く配慮されたストーリー構成になっている。

 本作では近代医学知識を駆使する南方仁が、医療設備のない幕末時代で、当時の難病をどのように克服してゆくのかが注目の的になる。また彼と美少女・橘咲の淡い恋心と、その行方にもかなり心が惹かれてしまうのだ。
 さらに三隅俊斉という悪医師が、かなりしつこく最後まで主人公を抹殺しようと企む展開にもハラハラ・ドキドキさせられてしまった。そしてラストの見事な収束やどんでん返しには、思わず拍手喝さいを送りたくなってしまうだろう。

 また本作はTBS系の「日曜劇場」枠(毎週日曜日21:00 - 21:54)で、第一期が2009年10月11日から12月20日まで放送され、第二期は2011年4月17日から6月26日まで放送されている。主人公の南方仁役は大沢たかお、橘咲役に綾瀬はるかという豪華キャストであった。視聴率20%超えを果たすなど、もしかするとマンガよりTVドラマのほうが有名かもしれない。

評:蔵研人