タイムトラベル 本と映画とマンガ

 本ブログは、タイムトラベルファンのために、タイムトラベルを扱った小説や論文、そして映画やマンガなどを紹介しています。ぜひ気楽に立ち寄って、ご一読ください。

 タイムマシン、タイムトラベル、タイムスリップ、時間ループ、パラレルワールド、時間に関係する作品を収集しています。まだまだ積読だけで読んでいない作品がたくさんあるのですが、順次読破したら本ブログにて感想を発表してゆきますね。

きみがいた時間 ぼくのいく時間4

著者:梶尾真治

 サブタイトルの「タイムトラべル・ロマンスの奇跡」が、この本の全てを物語っている。そう、カジシンさんの十八番ともいえる、時間テーマの中・短編ラブファンタジー集と言ってよいだろう。
 書き下ろしの『きみがいた時間 ぼくのいく時間』をはじめ、『江里の"時"の時』、『時の果の色彩』、そして処女作の『美亜へ贈る真珠』の四作が詰め込まれている。

 『きみがいた時間 ぼくのいく時間』は、著者の代表作『クロノス・ジョウンターの伝説』のサイドストーリーという趣きがある。主人公の里志は、事故で亡くなった妻の紘未を救うため、39年前にしか戻れないクロノス・スパイラルに乗る・・・という流れの中編小説だ。
 『江里の"時"の時』は、異なる次元に住む男女の恋愛をリリカルに描く短編。また『時の果の色彩』は、タイムマシンを使って、過去に住む女性と恋を描くユニークなお話である。

 『美亜へ贈る真珠』については、処女作にふさわしい初々しいファンタジーロマンスで、すでに名作ファンタジーとして認知されている。
 また巻末には、著者と『劇団キャラメルボックス』の脚本・演出を手がけている成井豊との情熱対談が収められていて、これも梶尾ファンにはなかなか楽しい対談で見逃せない。
 いずれにしても本書は、梶尾ファン必携の一冊と言ってよいだろう。是非ご一読あれ。

評:蔵研人


ルネサンスへ飛んだ男 Twice in time4

著者:マンリイ・ウェイド・ウェルマン 翻訳:野村芳夫


 時間反射機を使って、20世紀から15世紀のフィレンツェにタイムトラべルをした青年のお話である。タイトルやブックカバーのイラストから想像して、J・デヴローの『時のかなたの恋人』のようなラブファンタジーをイメージしていたのだが…。
 ところがこれが大いなる勘違いであり、そして嬉しい誤算でもあった。この作品でもリズという清楚で心優しい奴隷少女が登場するが、お互いにほのかな恋心は抱くものの、大恋愛には至っていない。

 どちらかというと、恋愛よりも史実に基づいた脚色の精緻さに重心を置いているようだ。従って荒唐無稽と思われる出来事が、全て歴史上の事実だったことを知ったときには驚愕の思いであった。
 そして科学的知識の豊富さと、絵に描いたようなラストのドンデン返しにも、誰もがきっと脱帽してしまうだろう。そして本作が書かれたのが、1940年というからさらに感心させられてしまう。

 それにしてもこれほどの力作が、なぜ2005年まで日本で翻訳されさかったのか。そのことについては、翻訳者があとがきで記しているが、完全版と削除改訂版の二つの版が存在しているのが原因らしい。
 もちろん本書は、完全版に基づいて翻訳されているのだが、削除改訂版の良い部分もかなり取り入れているという。ということは、翻訳者の力量も相当なものだということである。
 余り期待せずに買った本だが、時としてこのような幻の名作に出会えることがとても嬉しい。だから古本あさりを止められないのかもしれないね。

評:蔵研人

マルホランド・ドライブ 4

製作:2001年 米国 上映時間:146分 監督:デヴィッド・リンチ 主演:ナオミ・ワッツ、ローラ・ハリング

 田舎町のジルバ大会をトリミングした、オープニングシーンが面白い。ちょっと太めの女の子がシャカリキになって踊りまくる。飛んだり跳ねたり、逆さまに飛びついたり、パンツが見えそうで見えない。
 このポジティブなダサさが、これから始まるネガティブな本編に繋がる入口かと思うと、とてつもないアンバランスさを感じる。だがそれこそが、デビット・リンチ監督の持味なのだろうか。

 マルホランド・ドライブとは、ハリウッドの街を見下ろす峠道のことである。ここで美貌の女性が急に車を止められ、車外に引きずり降ろされようとした瞬間、突然二台の暴走車が激突する。
 生き残ったのは、美貌の女性一人だけだった。彼女はフラフラしながらも、ハリウッドに向かって丘を下ってゆく。くたくたになってやっと辿り着いた街の標識を見ると、「サンセット大通り」と書いてある。そして彼女は人目を避けるため、おもわずある家に侵入してしまう。

 このあたり展開は1950年に上映された、『サンセット大通り』を彷彿させられる。さらにこのあとハリウッド映画界の実態を、赤裸々に描いてゆくスタンスも同様である。きっとこの映画は、『サンセット大通り』のオマージュとして製作されたのだろう。
 それにしても謎の多い映画である。おそらくこの映画を一回観ただけで、完全に理解出来る人はほとんどいないはず。従ってネットの中でも多くの解析ブログが出回っている。

 それらのいくつかを読んで、さらにDVDでその回答を検証し、やっとこの映画の全体像がみえてきた。一度謎が解けると、何の脈絡もないと思われていた幾つかのサイドストーリーも見事に繋がってくる。
 この映画を難解にした最大原因は、なんの断りもなく時間軸を逆転させたことにある。だが『メメント』のように細切れに裁断して逆行させている訳ではない。
 あの「ブルーボックス」を開けた瞬間に過去に遡ってしまうのだ。つまりここを境に時間が逆転する。ただ一筋縄でゆかないのは、時間だけではなくヒロイン二人の人格も逆転してしまうからであろう。

 現実と妄想、あるいは生と死と考えればよいのか、我々は知らぬ間にリンチの術中にはまってしまう。
 30年前に処女作の『イレイザーヘッド』を観たときには、その混沌たる映像と精神世界に驚愕したものである。この作品にはそこまでの異常性はないが、クラブ・シレンシオの描写には『イレイザーヘッド』に通ずる世界観を感じるはずだ。
 それにしても、ナオミ・ワッツの飽きれるほど抜群の演技力と、小ぶりだが美しいバストには、完璧に魅せられてしまったね・・・。

評:蔵研人


時の”風”に吹かれて4

著者:梶尾真治

 タイムトラベルファンタジーの名手である梶尾真治の短編集である。書き下ろしではなく、既に発表されたものを集めたので、梶尾ファンなら読了したものが数編混ざっているかもしれない。
 全部で11作だが、得意のタイムトラベルものは、表題の「時の”風”に吹かれて」と「時縛の人」だけである。だがそれ以外の9作も、それぞれ独自の味がしてなかなか楽しめた。

 以下に11作について、簡単なレビューを書いておこうか。
1.時の”風”に吹かれて
 尊敬していた画家の叔父が遺した、白藤札子という美しい女性の絵。叔父が生涯独身を通したほど愛した女性でもあった。だが残念ながら、彼女は昭和36年のデパート火災で一命を落している。
 そして彼女は、主人公の恭哉にとっても、憧れの女性であったのだ。友人がタイムマシンを開発したことを知り、彼は昭和36年に戻って白藤札子を救おうと決意する。
 著者が得意とするリリカルな作品であり、11作の中でも一番心に残る作品であった。
2.時縛の人
 これもタイムマシンものであるが、前作とは全く異なる作風である。時間は瞬間の積み重ねという哲学の名句から、タイムマシンは「だるま落とし」の基本原理を使って過去に移動する。
 ところがその「だるま落とし」理論に見落としがあったため、過去に遡った途端に大変な問題に遭遇するのだ。 
3.柴山博士臨界超過!
4.月下の決闘
5.弁天銀座の惨劇

 3~5の3作とも、筒井康隆風味のドタバタナンセンス調が気に入らない。既に古い感性のSFで、どちらも僕の好みではなかった。
6.鉄腕アトム/メルモ因子の巻
 鉄腕アトムのオマージュであろうか。まるで手塚治虫の鉄腕アトムが、そのままマンガから小説の世界に入り込んだようだ。巧い!思わず手を叩きたくなる梶尾アトムだった。
7.その路地へ曲がって
 別世界のような路地裏に住んでいる年をとらない母に巡り合う息子の話。心の中に潜むノスタルジーを呼び起こすような珠玉のストーリーだ。
8.ミカ
 ある日突然、飼い猫が人間の女に見えてしまう哀れなお父さんのお話。家族に対する苛立ちが産んだ妄想なのだろうか。
9.わが愛しの口裂け女
 結婚した女が、実は口裂け女だったのだが、死ぬまで彼女を愛し続けた父親の話。とてもいい話なのだが、ラストにもう一工夫出来なかったのだろうか。
10.再会
 11作の中で、唯一SF味のしない作品である。ゼンちゃん存在がファンタジックではあるが、純文学風のあっさりとした味わいがあった。
11.声に出して読みたい事件
 3頁程度のショートショートだからしかたないが、ちょっと馬鹿にされたようなお話だったね。

評:蔵研人

ジャケット4

製作:2005年 米国 上映時間:103分 監督:ジョン・メイバリー  主演:エイドリアン・ブロディ、キーラ・ナイトレイ

 主人公ジャックは、心優しいのが災いし、湾岸戦争で少年に頭を撃たれるが、奇跡的に一命を繋ぎとめる。しかしその傷のおかげで、過去の記憶が消失してしまう。
 この悲しき兵士を、『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディが好演する。その後彼は、あてもなく彷徨ううちに、警官殺しの濡れ衣をかけられて逮捕されてしまう。しかし裁判で障害者と認定され、精神病院に収容されるのだった。

 そこでは、強度の障害者に対して、奇妙な治療実験を行っていた。患者に麻酔をかけ、拘束衣(ジャケット)で身動きを奪い、死体保管庫に数時間閉じ込めるのである。
 ジャックは死体保管庫の中で、苦痛と狂気に苛まれるうち、過去の記憶が断片的にフラッシュバックし、一瞬にして15年後の未来へ跳んでしまう。そしてストーリーは、ここを起点として大きく変貌してゆくのである。

 妻殺し未遂で精神病院に入院した患者に、『007カジノロワイヤル』のダニエル・クレイグ、ジャックの恋人役ジャッキーには、キーラ・ナイトレイと豪華なキャスティング。そして主演のエイドリアン・ブロディーは、心優しい表情といい、痩せこけた風貌といい、まさにピッタリハマリ役だった。
 生き馬の目を抜くような現代において、心の優しい人は損をする。だがそれは現世という束の間の思い出に過ぎない。来たるべき世界では、必ず報われるはずだ。
 死体保管庫の中は、決してタイムマシンではない。主人公が跳んで行くのは、彼の妄想と怨念が創り出す次元を超えた精神世界なのだろう。そこには、宗教的な香りのする死生観が漂っている。いずれにせよ、ジャックは辛い現世から開放されたのではないだろうか。

評:蔵研人

ステイ3

製作:2005年 米国 上映時間:101分 監督:マーク・フォースター
 
 この作品は、オープニングとエンディングが、メビウスの輪のように捻れて繋がってゆく。そしてエンディング直前の5分間がこの映画の全てとも言えるだろう。私にとってはなかなか興味深い作品であり、キャストも素晴らしいのだが、難解な内容のためか興行的には成功しなかったようである。

 精神的に不安定な青年(ライアン・ゴズリング)が、精神科医(ユアン・マクレガー)に自分の自殺を予言する。同時に青年は、その日に雹が降ることも予言し、それが見事に実現してしまうのであった。
 それ以来、精神科医は青年のことが頭から離れなくなる。そして何とか青年の自殺を食い止めようと奔走するうち、自分自身もだんだん虚構の世界にはまってゆくのだった。

 永遠に続くラセン階段や、デジャブ現象、歪んでくる幻覚と現実の境界線。幻想的な映像と、各シーンの繋ぎかたは、実に見事である。
 そして観客は多分よく分からないまま、スクリーンに釘付けとなり、感動的なエンディングを迎えるはずであった。確かにラストでどんでん返しが用意され、全ての謎が解明されるのだが…。しかしながら、単純な夢落ちではないものの、やはりこの手法は反則ではないだろうか。

評:蔵研人

幽霊人命救助隊4

著者:高野和明

 東大二浪で首吊り自殺した裕ー、キャリァウーマンになり損ねて飛び降り自殺した美晴、会社経営に失敗し服毒自殺した市川、ヤクザ稼業の限界に絶望し、短銃自殺した八木。この四人が神様の命令で、地上に降り幽霊になって100人の自殺願望者を救うという荒唐無稽なお話である。しかも夕イムリミットは49日間、1日2人以上のペースで自殺をくいとめなくてはならない。

 これが成功した暁には、成仏して天国ヘ行けるという。なんだか、浅田次郎の「椿山課長の七日間」と通じるものがある。
 彼等は人には見えない聞こえない、透過してしまう存在であるが、なぜか物質に対しては存在感がある。だが彼等は物質を動かせない。つまり、例えば誰かがドアを開けない限り、彼等だけではドアを開けられない、入れないのである。
 こんな状態で、どうすれば100人もの人間を救助出来るのか。ところが、彼等はこの八方塞がり状況を打破すべく「七つ道具」を所持していたのである。

 このマンガのようなバカバカしいお話が面白いのは、裕一以外の三人が自殺したのが、裕一よりずっと以前だったということだ。市川が15年前、美晴が17年前、八木に至っては、なんと24年前なのである。
 ということは、市川、美晴、八木にとっては、現代の日本はカルチャーショックで、まるでタイムマシンで未来に跳んできたのと同じなのだ。そのあたりの彼等の驚きようや、時代遅れな流行語が飛び交う様が楽しいよね。

 それから自殺願望者の大半は「うつ病」である。だから著者はうつ病について、かなり詳細に調べている。おかげで自殺とうつ病についての認識がかなり高まってしまった。楽しみながらお勉強出来るという具合で、一粒で二度美味しいのだ。
 ただ100人助けるまでに、何人もの同じような救助が続くので、途中少し辟易してしまうかも…。だが実は、最後100人目の自殺願望者の救助こそ、本作中最大の焦点なのである。この感動のクライマックスでは、きっと誰もが熱い涙を流さずにはいられないだろう。

評:蔵研人

プライマー3

製作:2004年 米国 上映時間:77分 監督:シェーン・カルース
 
 2004年度サンダンス映画祭で、審査員大賞を受賞した作品だという。この賞はインディペンデント映画に、ビジネスチャンスを与えてくれる。従ってこの作品が、大学の映画部で製作したようなチープな超低予算映画であっても文句はつけない。

 ストーリーのほうだが、べンチャービジネス志向の青年二人が、ある研究途上で偶然タイムマシンを発明してしまう。彼等は急上昇した株式銘柄を調べ、マシンに乗って過去へ行き、その株を買って儲けることを実行する。
 ここまでは良くあるお話なのだが、過去に戻ったときに、過去の自分に遭遇してしまうのだ。そして現在に戻るのだが、それをまたかつての自分が遠くから見ている。

 この循環が延々と続き、映画を観ているほうは、一体誰がオリジナルなのか、ダブル(分身)なのかさっぱり判らない。
 同じシーンが何度か続くのだが、ほとんどヒントになるものがなく、話の順序さえ見失ってしまう。ニューヨークタイムス紙で、この映画は5回以上観る必要があると掲載され、何度かチャレンジしたマニアックな人もいる。だがその人達をしても、いまだ完全には判らないという。
 果たして本当に答があるのか。まあどちらにしても、この作品を何度も観るほど辛抱強くはない。

 僕はタイムパラドックスを扱った作品が大好きだが、こんな判り辛い作品を観たことがない。難解という訳ではなくただ不親切なのだ。たまたまこのテーマが好きだから、ある程度楽しめたものの、このテーマに興味のない人にはお勧め出来ない。
 小説ならともかく、映画は情報量に限界があるし、観客は基本的に一回しか観ないのだ。ことに商業べースにするのなら、そこを考えてもう少し判り易く創らなければ、一発屋の単なる自己満足で終わってしまうだろう。

 タイムトラべルやパラドックスについて話を始めたら、夜を徹しても終わらない。だからここでは、その議論を飛ばしたい。
 もしかすると、この映画の真のテーマは、タイムパラドックスではなく、米国のベンチャー企業家たちの野心と葛藤と猜疑心だったのだろうか。

評:蔵研人

フローズン・タイム3

製作:2006年 英国 上映時間:102分 監督:ショーン・エリス

 現在はもう閉館になっているが、当時東京でこの作品を上映していた映画館は、渋谷QーAXシネマだけであった。この映画館は、カフェスタイルの飲食店が同居し、2つのスクリーンを持つユニークな映画館だったのだが、残念ながら僅か数年で閉館となってしまった。
 理由は定かではないが、駅からやや遠いこと、周囲にラブホテルが多いことなどが難点だったのかもしれない。しかし小綺麗でお洒落な雰囲気と、音響・映像においては、当時最高水準のTHXを採用していたようである。

 さて本作上映時には、264席ある館内は、ほぼ満席であった。これはこの作品に対する注目度なのか、映画デーの特別割引のお陰なのか、単館上映だったためなのかは不明である。
 そもそもこの作品は、2006年のアカデミー短編実写賞にノミネートされた18分の短編作品だった。それを商業べースで上映するために、102分に引き伸ばして再製作したのだという。

 当初の短編映画を観ていないので、比較は出来ないものの、やはり多少違和感を感じてしまった。
 おそらくスーパーの店員たちの「おふざけドラマ」や「少年時代の回想」などが追加シーンなのであろう。「少年時代の回想」はともかくとして、店員たちのドタバタシーンがなければ、この映画はもっと芸術的かつ幻想的な作品に仕上がっていたはずである。
 失恋のショックで不眠症に陥り、時間の概念にひずみが生じる。そしてあるとき、スーパーマーケットの中で、自分以外の時間が止まってしまう。

 そこまではとても秀逸な発想であり、時間が静止したときの映像も、二次元世界のようで幻想的だ。フォトグラファーである監督の手腕が、十分に発揮されたシーンであった。
 そして、最初はレジのおばさんにしか見えなかったシャロンが、だんだん美しくなってゆく。主人公の心の動きと、観客の視線を同調させたテクニックは実に見事である。

 だが、ファンタジーを、エロティックコメディーへとチェンジしてしまった感性はいただけない。ところどころで少数の人が、大声で笑うのだが、観客のほとんどはしらけ切っていた。
 ラストになって、今度はロマンチックなラブストーリー仕立てに軌道修正し、そこで観客の冷めた気持ちを温めて、ジ・エンドとなる。
 なんだか狐につままれた気分だが、「良い映画だったな」と満足して帰路につく観客たち。だが冷静に考えると、やはりなにか歯車が絡み合わない気がするのだ。 

評:蔵研人


とんだトラブル!?タイムトラベル3

著者:友乃雪

 児童向けの小説なのだが、大人が読んでもそこそこ楽しめるのが嬉しいので、子供に読ませる前に一読してみてはいかが。また本作は2008年に第25回福島正実記念SF童話賞大賞を受賞している優れモノなのだ。
 ある日突然、ぼくの部屋の壁に黒い渦巻が発生し、その中から小さいぼくと大人のぼくが飛び出してくる。小さいぼくは過去の世界から、大人のぼくは未来からやってきたのだった。

 未来では大変なことが起きている。それを修正するために未来からぼくはやって来たのである。そしてぼくたち三人で協力して、盗まれた父さんの発明品を奪還し、未来を救う行動に出るのであった。
 子供向けで大きく見やすい文字に、全ての漢字にフリガナがふってあり、僅か80頁なので30分くらいであっという間に読破してしまうだろう。もちろんラストはパッピーで単純、大人にはやや物足りないが子供には喜ばれそうである。

評:蔵研人

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