タイムトラベル 本と映画とマンガ

 本ブログは、タイムトラベルファンのために、タイムトラベルを扱った小説や論文、そして映画やマンガなどを紹介しています。ぜひ気楽に立ち寄って、ご一読ください。

2023年07月

予知夢

★★★☆
著者:東野圭吾

 本作は『探偵ガリレオ』シリーズのうち五作をまとめたもので、全作がオカルト風味のミステリーである。つまり探偵ガリレオこと物理学助教授・湯川学が、オカルト事件を科学的に解明して行くという流れである。そしてこの湯川がホームズ役を担当するなら、友人の草薙刑事がワトスン役を演じているようだ。

 なお収録されているのは次の五編である。

第一章 夢想る (ゆめみる)
 16歳の少女の寝室に忍び込んだ男は、17年前からその少女と結ばれる運命にあったのだと供述する

第二章 霊視る (みえる)
 同時間に別の場所で殺害された彼女の霊を見た男の話の真偽

第三章 騒霊ぐ (さわぐ)
 ある時間になるとポルターガイスト現象を引き起こす家と殺人事件の関連

第四章 絞殺る (しめる)
 絞殺された男の娘が見た火の玉とは

第五章 予知る (しる)
 少女が見たのは現実なのか予知夢だったのか

 ざっとこんな感覚でストーリーは展開されてゆくのだが、薄くて読み易い割には論理的で品質の良い作品に仕上がっているので、興味の湧いた方は是非一読されてはいかがであろうか。

評:蔵研人

タイムマシンの作り方

★★★☆
著者:矢沢サイエンスオフィス

 本書は2001年9月に学研から刊行されたムック『タイムトラベルの謎』に大幅な加筆・改稿を加え、図版を一新して単行本化したものである。

 まず『宇宙論的タイムマシンの作り方』として、お馴染みの「ブラックホール」、「円筒型」、「ワームホール」、「宇宙ひも」などを利用したタイムトラベルを紹介している。ただしこれらは理論的には可能なものの、それこそ天文学的な時間と費用と労力を必要としているため現実的ではない。そこで考えられたのが、超光速粒子タキオンを使った「量子論的タイムマシン」や時空のゆがみを利用したワープ航法などである。もちろんこれらもSF的な発想と敬遠されがちだが、なんと米国のNASAやロシア・中国などでは、その実現に向かって真剣に研究しているというのだ。

 さて未来へのタイムトラベルについては、比較的簡単に実現可能なのだが、過去へのタイムトラベルは不可能だとされてきた。それは原因があり結果に繋がるという因果律がある限り、様々なタイムパラドックスを生じてしまうからである。だがそれはパラレルワールドの存在を認めることにより解消される。ただしその場合は、別次元の世界へ移動するわけだから、厳密には過去へのタイムトラベルではなく、別次元への移動ということになるらしい。

 このようなタッチで、小説・映画などの話も織り込みながら、難解な物理理論を紐解いているのだ。従って肌に馴染み、実に読み易いのだ。だからあっという間に読破してしまった。ことにラストに付録として、タイムトラベルの疑問をまとめて綴った『タイムマシンQ&A』が超・分かり易く面白かったね。


評:蔵研人

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