製作:2010年 カナダ 上映時間:85分 監督:カール・ベッサイ

 毎日が何回も繰り返されるお話で、『恋はデジャブ』、『タイムアクセル12:01』と同じパターンである。だが本作は全体的に暗いイメージで、タイトルが複数形になっている通り、時間を繰り返すのが三人の男女になっているのだ。
 なぜ彼等三人が時間ループに巻き込まれてしまったのか。その原因として考えられるのは、三人とも問題を起こしていて、それを解決出来ない状況にあるということだろう。

 ただそれだけの理由では、ちょっと単純だし、物語の背景やストーリー展開にも深みが感じられない。また三人のうち一人だけが、急に殺人鬼に変貌してしまったのも納得出来ないよね。
 どうせ時間が繰り返して、翌朝になれば全てがチャラになるからと言っても、ただ無意味な殺人を繰り返す必然性がない。このあたりの描き方が安易過ぎて、なかなかストーリーにのめり込めなかった。大好きなテーマだけに、非常に残念である。

評:蔵研人