製作:1994年 米国 上映時間:99分 監督:ピーター・ハイアムズ

 主演がジャン=クロード・ヴァン・ダムなので、なんとなくひっかかるものがあったが、やはり予感が的中してしまった。
 タイムトラベルものということで、わざわざこの古い作品を借りてきたのだが、SF映画というよりはバリバリの「アクション映画」だったのだ。

 それはそれで良いとしても、タイムトラべル部分の設定がハチャメチャ過ぎるのだ。「エンタメなのだから、そうめくじらを立てずに楽しみなさいよ!」と言われそうだが、それにしても子供でも納得出来ないシーンが多過ぎるのである。
 まずあのデロリアンをレールに乗せたような安っぽいタイムマシンが許せない。そしてマシンが過去に到着したとたんに、消えてしまうのは更にチープである。そのうえ現在に戻るのは、リモコンもどきのコントローラーでOKとは・・・それなら最初からコントローラーだけで、過去に行けばいいじゃないか。

 またあれだけ頻繁に過去と現在を行ったり来たり出来るのなら、何度でもやり直しが出来てキリがなくない?。
 過去を変えると、現在が変わるのはパラレルワールドが発生しているからなのだが、それならそこにはもう1人の自分が存在するはずである。しかしそれを言ってしまうと、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を始めとする、全てのタイムトラべルものを否定することになるので、見て観ぬ振りをしようか。まあ細かいことにこだわらず、アクション映画として鑑賞することをお勧めするしかないだろうね。

評:蔵研人