タイムトラベル 本と映画とマンガ

 本ブログは、タイムトラベルファンのために、タイムトラベルを扱った小説や論文、そして映画やマンガなどを紹介しています。ぜひ気楽に立ち寄って、ご一読ください。

 タイムマシン、タイムトラベル、タイムスリップ、時間ループ、パラレルワールド、時間に関係する作品を収集しています。まだまだ積読だけで読んでいない作品がたくさんあるのですが、順次読破したら本ブログにて感想を発表してゆきますね。

総理を殺せ4

原作:森高夕次 劇画:阿萬和俊

 とんでもないタイトルに一瞬ひいてしまう人もいるかもしれない。だがこれでも、れっきとしたタイムトラベル系のマンガなのである。
 30年後に日本と中国の間で戦争が勃発、総理大臣が核のボタンを押し、中国に原爆を発射する。そしてその報復攻撃として、中国からも東京に原爆が落とされるのだった。
 体に衝撃を受けると過去へタイムスリップしてしまう体質の主人公は、なんと原爆の爆発によって30年過去にタイムスリップしてしまうのである。

 そこで主人公は、未来に原爆のスイッチを押した総理大臣にを抹殺する決心をする。そうすれば30年後に核戦争が起こらないからである。日本いや世界を破滅に導いてしまうその総理の名は『剣崎裕太郎』。彼は軍事増強を図り、いつの間にか徴兵制と核保有を宣言・実行してしまうのだった。

 まずこの時代の若かりし剣崎裕太郎を探し出さねばならない。そして彼を抹殺することが自分に与えられた使命なのだと確信する。というような、ハラハラドキドキのアクションがらみの異色タイムスリップ作品なのである。
 とにかく過去の社会背景や大事件を利用しているところが面白いし、ラストの捻りもなかなかだ。また全二巻というシンプルさもお手軽で、あっという間に読破してしまう。もしかするといずれは映画化されるかもしれないね。ただ後味の悪さだけは、覚悟しておかねばならないだろう。

評:蔵研人


満月 映画3

 小説に続いて、今回は映画のほうを紹介しよう。だが小説が絶版であったように、こちらもDVDはなく、ビデオテープ版しか残っていなかったのだが、なぜか最近になってDVDが発売されたようである。

 主演が原田知世と時任三郎と言えば、もうかなり昔の映画であることが判るだろう。細かい設定では、だいぶ原作とは違いがあったし、ストーリーの流れもハデなドタバタシーンが多過ぎたと思う。
 またそもそも原作にない、余計なストーリーを追加したため、忍者よろしく弘前城に忍び込むという、無意味なシーンを追加するハメになってしまったのだ。映画だから派手に加工したい気持ちは判るが、原作はアクションものではなく、あくまでも「ラブストーリー」なのだぞ!。

 何といっても原田知世はとても可愛いし、まさに和製メグ・ライアンである。ただ初めは嫌いだった小弥太を、好きになってしまう心の変化が、今ひとつ描き切れていなかったのが不満である。
 いっぽう時任三郎は背が高過ぎて、昔の武士役には不向きだし、これは私の思い込みだが、原作のイメージともだいぶ異なっていたような気がする。

 前半は原作に忠実で楽しい映画だったが、知世の兄貴が出現してから、ドタバタアクション映画になり下ってしまったようだ。実に残念である。原作の良さを本当に理解していない人が映画を作ると、こんな映画になるという悪い見本のような映画だった。
 ただ『ねぷた祭』を観ながら、弘前城主のことを回想するシーンには、思わず涙ぐんでしまったね。それとスッキリとしたラストシーンも、やや捻りを入れた原作よりも好きかもしれない。さしあたり日本版『ニューヨークの恋人』かな。

評:蔵研人

満月 小説4

著者:原田康子 

 1988年に新潮文庫として発行されているが、現在は絶版になっているようだ。その後映画化されているのだが、まずは原作小説のほうから紹介しよう。この約600ページのクソ分厚い文庫本を何日持ち歩いただろうか。決して難しい小説ではないのだが、それにしてもこの本と同じく、とても重い読了感が残った。

 満月の夜に、300年前から杉坂小弥太という侍がタイムスリップしてくる、というSF仕立てのお話である。だがその設定さえ除けば、小弥太と野平まりとの甘く切ないラブストーリー以外の何物でもない。
 呪術によって300年の時を超えるという理屈や、マリとの初遭遇シーンについては、かなりいい加減な感じがするが、『ラブストーリー』なのだと思えば、いたしかたなかろう。

 話の展開は、まりの視点で進んでゆくが、山の天気のようにコロコロ変わる女性の心理描写を、実に見事に描いている。さすがに女性作家であり、一見正反対に見える「まりと祖母の両者ともが」著者の分身なのかもしれない。
 恋人に300年前の待を用いたのも、著者の理想の男性像を満たすためであろうか。りりしく、たくましく、強く、辛抱強く、それでいて優しく、その上誠実で、純情な男性など、すでに現代には存在しないからだ。そのうえ美男とくれば、世界中の女性が放っておかないだろう。

 変に誤解されても困るが、小弥太は男性の私にとっても、素敵な男なのだから・・・。
 結局二人は、最後まで本格的なエッチをしないのだが、まりの過激な心情と、小弥太の純真でひたむきな愛情が、実に見事に絡み合い、年甲斐もなくドキドキしてしまった。
 繰り返すようだが、SFとしてはほとんど評価出来ないので、ラブストーリーとして読むこと。ただ菩提寺の過去帳と、水戸藩の快風丸、コタンのトーテンポール、易者の予言の全てが繋がるところが、著者の面目躍如といったところであろう。

評:蔵研人

トモダチごっこ3

作者:ももち麗子

 少女マンガであるが、よくあるラブストーリーではなく、イジメがテーマのタイムスリップ・ストーリーなので、男性にも読み易いかもしれない。
 親の離婚が原因で、東京から引っ越すことになり、仙台の女子高に入学することになった村咲みどり。はじめはクラスの仲間たちと上手くいっていたのだが、イジメに遭っていた幼馴染の氏原あかりを助けたことにより、影のボスである伊集院エレナの反感を買ってしまうのである。そしてイジメの対象も、あかりからみどりへとターゲットが変わってゆく。

 みどりに対するイジメは、あかりの頃よりもずっと酷くなり、ロッカーに閉じ込められたまま階段から突き落とされたり、トイレで恥ずかしい写真を撮られたりと、どんどんエスカレートしてゆくのであった。
 とうとう耐え切れなくなったみどりは、校舎の屋上から飛び降り自殺をするのだが、その瞬間に一年前にタイムスリップしてしまうのである。最初は夢かと思っていたみどりであるが、持っていたケータイに記録されていた未来の日記を読んで、タイムスリップしたことを悟る。そして二度と同じことを繰り返さないと固く決意するのであった。

 過去の人生を繰り返すというタイムループ系のストーリーであるが、この作品では一年前の人生を一度だけ繰り返すという展開なので、何度も繰り返すことはない。一応過去での失敗を避けようと、過去とは別の行動をとるのだが、なかなかうまくいかない。それで最終的には実力行使に出てなんとか納まるのだが、それならなぜはじめからそうしなかったのだろうか。それとその後になぜエレナの報復がなかったのか。最後のまとめ方にはかなり違和感を感じざるを得なかった。

 またタイムスリップものとしての道具の使い方については、かなり勉強不足の感があるが、女子高でのイジメは迫力があったし、乙女心の描き方にも説得力があったと思う。やはり作者はSFマンガ家ではなく少女マンガ家なのだと改めて実感した次第である。

評:蔵研人

杏奈は春待岬に4

著者:梶尾真治

 タイムトラベルロマンスの第一人者である著者が、満を持して放った久々の『リリカル・ファンタジー・ロマンス小説』である。なんと本作を書き下ろしたのは、著者が70歳を目前とした2016年だ。それにしてもよくこの年齢で、こんな純情な恋愛物語を紡ぐことが出来るものだと感心してしまった。きっと著者はいつまでも若く、澄んだ心の持ち主なのであろう。

 春休みのことである。ぼくは祖父母が暮らす天草西の海沿いにある小さな町を訪れた。その町の外れにある『春待岬』には、町の人々との交流を拒絶するかのように、ひっそりと洋館が佇んでいた。
 だがその洋館には、大きな瞳に長く黒い睫毛をたたえた美しく優雅な、まるで妖精のような少女が住んでいたのである。
 ぼくは息を飲み、あっという間に彼女の瞳に吸い込まれそうになった。これがぼくの初恋、いや永遠の恋の始まりだったのである。
 だがその少女と逢えるのは、桜の咲いている間だけであり、さらに彼女はほとんど年を取らなかった。ぼくは時の檻に閉じ込められている彼女を、なんとしても救い出そうと必死に努力したのだが…。

 こんな感じでストーリーは進んで行き、一体これからどうなるのかと、するすると頁をめくり続けあっという間に読了してしまった。だが少女は年を取らないのに、ぼくだけがどんどん老けて行くのである。なんとも淋しくて切なくて、とうにもやり切れない。終盤のどんでん返しは用意されてはいるものの、やはり哀しい気分は晴れなかった。

評:蔵研人

タイムトラべル・ロマンス4

著者:梶尾真治

 なんとも言えないくらい、ロマンチックで幻想的なタイトルである。そのうえサブタイトルは「時空をかける恋物語への招待」なのだから、梶尾真治ファンならずとも、喉から手が出るほど欲しくなる本ではないだろうか。

 ところでこの本は小説ではないのでお間違えなきよう。だからと言ってSF論というほど振りかざしてはいないし、SF入門というのか、SF小説とSF映画の紹介を通してSFを語る本とでも言うのだろうか。
 もちろんSFなのだから、タイトルのタイムトラべルだけではなく、当然ロボットやエイリアンの話も出てる。でも半分以上はタイムトラべルについて語っているので、どうぞタイムトラベルファンの方々もご安心のほど。

 さて本書はハードカバーなのだが、わずか157頁の小さめの本なので、通勤時の行き帰りだけで、あっという間に読み終わってしまうだろう。また著者の梶尾真治はあとがきで、この本を『SFへのラブレター』かもしれないと語っているのだが、まさに彼のSFへの大いなる愛情を感じた1冊であった。

 主な時間SFに関する評論内容は次のとおりである。
1.時間を超える
 リリカルSFはいかが/スローガラス/昭和三年への旅/ジャック・フィニィの「愛の手紙」/映画「ある日どこかで」/ロバート・ネイサン「ジェニーの肖像」
2.タイムマシン
 H・G・ウェルズ「タイムマシン」/ロバート・A・ハインライン「夏ヘの扉」/ロバート・F・ヤング「たんぽぼ娘」/梶尾真治「クロノス・ジョウンターの伝説」

評:蔵研人


僕はビートルズ4

作者:かわぐちかいじ

 イージス艦と自衛隊員が太平洋戦争の最中にタイムスリップし、偶然救助した日本軍の将校に未来を知られてしまう。そのためにその将校によって、アメリカに先駆けて日本軍が原爆を創り、それを戦艦大和に積んでアメリカへ出航することになってしまう。・・・というような展開に終始し、なんと全43巻にも亘る大長編となったかわぐちかいじ氏の『ジパング』というマンガがある。

 本作は21世紀の日本で、ビートルズのコピーバンド、ファブ・フォーとして活動していた若者4人が、ビートルズがデビューする直前の昭和30年代の東京にタイムスリップするのである。そしてビートルズの曲を自分達の曲だと偽って発表してしまうのだ。お陰で当然のように、彼等は日本で爆発的なヒットを飛ばし、やがて英国のメディアにも進出して行くのである。

 その頃デビュー直前のビートルズが、この曲を聴いてショックを受け、演奏活動を休止して行方不明となってしまうのだ。果たしてビートルズは復活できるのか、またファブ・フォーは、このままコピー活動を続けて行くのか・・・。
 なんと戦争と音楽との違いを除けば、前述した『ジパング』とそっくりである。未来のものである「原爆」と「ビートルズの曲」をめぐり、その可否を問う展開となっているからである。そして結末もほぼ同じように推移する。
 両作品とも、かわぐちかいじ氏が描いたマンガなので感覚的に同じような展開を目指したのかもしれないが、なんと本作には別途原作者がおり、この原作の審査委員だったかわぐちかいじ氏が、自ら希望して作画を担当したと言ういきさつがあるらしい。

 いずれにせよ、ビートルズが創った曲を完全盗作してしまうのだから、ビートルズファンには非常に不愉快な作品だったようである。それでかわぐちかいじ作品としては、全10巻という以外に早くあっけない幕切れで終了してしまったのだろうか。ただ過去へのタイムスリップという展開で、未来の知識を利用して成功するという話であれば、結局はビートルズに限らず、やることなすこと全てが、未来からの盗作?ということになってしまうことになる。

 あと過去の人物と現在の人物の比較をしてもあまり意味がない。五輪を観ても分かるが、ほぼ全ての競技において過去の記録よりも現代のほうが優れているはずである。これは決して過去より現在が優れているというのではなく、現在の技量は、過去の技量と努力の積み重ねに過ぎないからなのだ。
 だからビートルズとファブ・フォーの技量を比較しても意味がないのである。こうしたことも含め、少なからずもビートルズファンの一人として、ファブ・フォーのコピー活動には、なにかやり切れない想いを抱きながら、このマンガを読み続けていた。だがタイムトラベルファンとしては、それなりに楽しめた作品だったことも否めない。

評:蔵研人

バック・トゥ・ザ・フューチャー5

製作: 1985年 米国 上映時間: 116分 監督: ロバート・ゼメキス

 34年前に劇場で観て以来、DVDでも2~3回見直しているのだが、何度観ても飽きない超面白い映画である。この映画こそまさにアメリカンムービーの大傑作であり、ただ面白いだけではなく、笑いあり・涙あり・ハラハラドキドキし、そしてラストはスカッと爽やか逆転満塁サヨナラホームランなのだ。

 まさに体内にある溜まったストレスが、全て発散されてしまうという元気の出る映画でもある。そのうえ、タイムトラベルにつきものの親子間のパラドックスなどについても、実に楽しくかつ見事に描ききっている。そして34年経過した現在でも全く陳腐化していないし、いまだにこの作品を超えるタイムトラベル映画も出現していない。とにもかくにも、誰が観ても全く文句のつけようがないほど完成度の高い超エンターテインメント作品なのだ。

 この映画を知らない人はほとんどいないと思うので、あえてあらすじやキャストについては省略したが、もしまだ未見の人がいたのなら、是非DVDをレンタルして観ていただきたい。三部作であり、第一部だけは完結して観ることが出来るものの、時間があれば是非全作品を楽しんで欲しい。とは言っても、やはり第一作が一番完成度が高いのは言うまでもないだろう。

評:蔵研人

時生5

著者:東野圭吾

 重松清の『流星ワゴン』は、父が過去にタィムスリップして息子と会う話だった。ところが本作では、逆に瀕死の息子がタイムスリップして、若かり日の父に逢いに行くのだ。どちらかというと、浅田次郎の『メトロに乗って』と同様の構成なのだが、ムード的には『流星ワゴン』のほうに近いかもしれない。

 著者の文体は相変わらず素人臭いが、読み易いのとアイデアが面白いので、サクサクと読み進んでしまうのである。それが東野マジックなのだろうか。
 さて若かりし日の父は、自分を捨てた母を恨み続け、刹那的でヤケッパチに生きてきた。それがある日、未来の自分の子である時生と巡り合うことによって、少しずつ変貌してゆくのだった。

 ところで父と息子の関係ほど微妙で複雑な関係はない。父は息子を愛すると同時に嫉妬し、息子は父を尊敬しつつも憎しみを持つ。あたら近親なだけに、逆に呪いのような骨肉争いも生じるのだろうか。
 こうした作品を読んでいると、自分も一度父親の若かり日を垣間見たい衝動にかられる。それにしても実に楽しい作品で、過去・現在・未来が交錯する集大成作品と言ってもよいだろう。いつも思うのだが、東野圭吾の小説には「ハズレ」というものが全くないところが凄いよね。

評:蔵研人

サウンド・オブ・サンダー3

 本作はSF小説の巨匠レイ・ブラッドべリの短編『いかずちの音』を映画化した、時間テーマSF作品である。さて話の内容だが、近未来でタイムマシンが完成され、大金持ちの間で時間旅行が流行する。ところが客の一人が規則を破り、大昔の世界から『あるもの』を持ち帰ってしまう。そのおかげで生態系が変化し、現代に戻ると大異変が起きてしまうというお話なのである。

 ところがネットでは、何故かこの映画の評判がすこぶる悪い。しかしそれでブルってしまっては、「時間テーマ好き」の名が廃る!。と言うわけでつまらなくてもともと、という気持ちで映画館に足を運んだものだが、良いほうの期待外れであった。
 確かに全生物の再構成という、人類の危機を描く「超々大スペクタクル巨編!」にしては、余りにも登場人物が少な過ぎるし、軍隊も出動しないのはどうしたことだろう。そのうえ恐竜のCGもゲーム並だった。つまりB級に限りなく近い映画なのである。たぶんこれが悪評の原因なのかもしれない。

 しかしB級好きで、時間テーマの虜になっている私にとっては、非常にワクワクドキドキの楽しい映画だった。殊にイグアナとゴリラの合いの子のような進化した恐竜達には、妙に納得してしまった。たぶん爬虫類が進化すれば、類人猿のようになるのかもしれない。
 またタイムマシンで戻ったときに、いきなり環境が変わるのではなく、序々に変化してゆくのである。この変化のタイミングは、「時間の波」が押し寄せるたびに起こる、というアイデアも面白かった。もちろんそうしないと、戻ったとたんに映画が終わってしまうけどね・・・。まあ何を期待してこの映画を観たのか、という部分の違いでこの作品の評価も大きく分かれるところなのかもしれない。
評:蔵研人

ギャラリー
  • 僕が殺された未来
  •  -時の回廊- 昭和は遠くなりにけり
  • 夏へのトンネル、さよならの出口
  • すばらしきかな人生
  • 夏のダイヤモンド
  • 一秒先の彼女
  • トゥモロー・ウォー
  • 道
  • タイム・ダイレイション-死のベッド-