タイムトラベル 本と映画とマンガ

 本ブログは、タイムトラベルファンのために、タイムトラベルを扱った小説や論文、そして映画やマンガなどを紹介しています。ぜひ気楽に立ち寄って、ご一読ください。

 タイムマシン、タイムトラベル、タイムスリップ、時間ループ、パラレルワールド、時間に関係する作品を収集しています。まだまだ積読だけで読んでいない作品がたくさんあるのですが、順次読破したら本ブログにて感想を発表してゆきますね。

ANON アノン

ANON アノン

★★★☆
製作:2018年 米国・英国・ドイツ 上映時間:100分 監督:アンドリュー・ニコル

 タイトルのANONとは「匿名」を意味するようだ。近未来が舞台なのだが、人の記憶が記録・検閲されるようになった世界を描いている。個人情報やプライバシーが全て無視される恐ろしい時代の到来なのだが、そのお陰で犯罪のない世界を構築することができたのである。

 ところがある日記憶の読めない女が登場し、同時に不可思議な殺人事件が頻発するようになってしまう。主人公のサル刑事は匿名化したある女性が犯人ではないかと推察し、自らオトリ捜査を実行するのだが、事態は驚くべき方向へと向かうのだった。

 テーマはユニークだし、アナログ映像にデジタル映像をブレンドしたビジュアルも、いかにもSFに染まってなかなかお洒落な雰囲気を醸し出している。ただストーリー的には、単調で余り深みがなく説得力も感じられないのが残念だ。またオマケのようなエッチシーンも、男性観客にはありがたいものの、単なる時間稼ぎにしか感じられなかった。


評:蔵研人

ブラッド・パンチ タイムループの呪い

ブラッド

★★★☆
製作:2014年 米国 上映時間:104分 監督:マデレイン・パクソン

 私の大好きなタイムループ作品なのだが、「殺し合いの応酬が止めどなく続く」という荒唐無稽に狂気を加えたような作品である。さらにその日生き残った者はそれまでの記憶が残るが、殺された者は前日の記憶が残らないと言うユニークな設定なのだ。

 ミルトンは麻薬製造がばれて、薬物治療のリハビリ施設に入れられてしまうが、そこでスカイラーという女性に一目惚れしてしまう。さらに彼女にそそのかされ、施設を逃げ出し彼女の恋人・ラッセルと落ちあい、薬物精製をするためのアジトに連れ込まれてしまうのだった。ここで麻薬を生成して大金を得たら、ミルトンを殺してしまう計画のスカイラーとラッセルだったが、いつしか3人は三角関係にもつれてしまう。そして殺し合いが始まるのだが、不可思議な時間のループに巻き込まれていることに気付く。彼らは何度も殺し合いながら、ループの謎を探るのだが……。

 果たしてこのループから逃れる方法はあるのだろうか、そして結末はどうなるのだろうか。前半はやや退屈気味だったが、このアジトに辿り着いてからは俄然面白さが倍増、いや5倍くらい面白くなってくるのである。低予算映画であるが、SF的な展開に加えてホラーとコメディーと心理劇を巧みにブレンドした見応えのある作品だったと言っても嘘にはならないだろう。
 
評:蔵研人

二度目の夏、二度と会えない君3

二度目の夏、二度と会えない君

製作:2017年 日本 上映時間:106分 監督:中西健二
 
 原作は赤城大空の同名ライトノベルである。高校3年生の篠原智は、バンド仲間の森山燐に思いを寄せていた。だが不治の病で病室で苦しんでいる燐に自分の思いを伝えるのだが、なぜか激しく拒絶されてしまう。
 そして燐は亡くなってしまうのだが、智は「この世には伝えてはいけない事がある」という罪悪感で悩み続けていた。そんな雪の降る日、土手に転がり落ちた智にタイムリープが起こり、燐と初めて出会った半年前のあの夏の日に戻るのであった。

 タイムリープがらみのファンタジーかと期待してレンタルしたのだが、タイムリープと言ってもその一度だけ半年前の自分の心に戻るだけで、あとは普通の学園難病ラブストーリーという展開に染まっていたな。ただ燐の歌唱力は抜群で、なかなか聞かせてくれた。それもそのはず燐を演じたのはガールズバンド「たんこぶちん」の吉田円佳という女性歌手だった。彼女は映画初出演と言う触れ込みだが、演技のほうもなかなか捨てたものではなかったね。まあ若い人にはともかく、おじさんにはかなり退屈なストーリーであったことは否めない。

 
評:蔵研人

プロジェクト・アルマナック3

プロジェクト・アルマナック

製作:2015年 米国 上映時間:106分 監督:ディーン・イズラライト

 タイムマシンを手に入れた高校生たち5人が、過去を行ったり来たりして運命を変えるSFドラマである。
 成績優秀なデビッドは大学受験に成功するが、奨学金が手に入らず困っていた。しかし亡父の部屋にあった幼い頃のビデオ映像に、現在の自分の姿が映っているのを発見する。さらに地下作業場でタイムマシンの設計図を発見し、これから自分がタイムマシンを完成することを確信する。そして友人たちや妹とタイムマシンの組み立てと実験を続けるのだった。

 やがてタイムマシンが完成し、彼らは常に5人一緒にタイムトラベルすることを誓う。そして宝くじを当てたり、いじめっ子に復讐したり、好きな女性の気をひいたりと、やりたい放題ゴッコが始まるのだ。

 ところがある事情から、デビッドがルールを破って一人でタイムトラベルをする。理由ははっきりしないが、それが原因だったのか、世界中で暴動や飛行機事故などが乱発する状況に陥ってしまう。さてどうやってこの事態を収拾するのだろうか……。と考える間もなく、ただただ余りにも単純な解決方法に呆れてしまった。あれで元に戻るなら苦労はないし説得力もなかったね。またどんでん返しが用意されていないのも物足りない。

 さて過去を改変すると、未来が大きく変わってしまう可能性が生じてしまう。これこそタイムトラベルの鉄則なのだが、あれだけ「でたらめ暴走」を繰り返せば、なるほどと頷かざるを得ないだろう。それほど彼らは、タイムマシンで遊び惚け過ぎたのである。
 テーマ的にはなかなか面白かったのだが、なにせハンディカメラの映像で船酔い状態になってしまった。なぜそこまでハンディカメラにこだわるのか私には理解できない、それだけでもマイナス1点だね。

評:蔵研人

明日への地図を探して

明日への地図を探して

★★★☆
製作:2021年 米国 上映時間:99分 監督:イアン・サミュエルズ

 高校生のマークはいつの日か、毎日同じ日を繰り返すタイムループにはまっていた。だから今日どこで何が起こるかは全てお見通しなのだ。鳥のフンを頭に浴びてしまう人、道に迷っている人、スカートがまくれている人、プールでビーチボールをぶつけられてしまう人などなど。そして彼らを助けてあげることが毎日の日課になっていた。だがそんな毎日に退屈し始めた頃、自分以外にもタイムループにはまっている女性と巡り合うのだった。

 彼女の名前はマーガレット。彼女は身長が高く美人で、マークと同じ高校生なのだが、飛び級進学するほど優秀で、子どもの頃から「4次元を探している」という変わり者でもあった。いつ日か、ともにタイムルーパーであるマークとマーガレットは、毎日一緒に行動することになる。だがいつも18時になると、ジャレッドという男から電話がかかってきて、彼女はどこかに去ってしまうのだ。そして彼女は元の世界には戻りたくないようなのだ……。

 一体マーガレットは何者なのか、電話がかかってくるジャレッドとは、彼女の恋人なのだろうか。どうして二人はタイムループに巻き込まれてしまったのか、また果たして二人はタイムループから抜け出せるのだろうか。と謎の渦巻く展開に先が見えない。
 ヒントは、主人公はマークではなく実はマーガレットだったということ。そしてタイムループもマーガレットが引き起こした現象であった。ではマークは単なる添え物だったのだろうか、よく分からないのは、なぜマークがタイムループに巻き込まれたのかと言うことかもしれない。

評:蔵研人

コンティニュー4

コンテニュー
製作:2021年 米国 上映時間:100分 監督:ジョー・カーナハン

 同じ日が何度も繰り返されるという「タイムループ映画」なのだが、本作はかなり派手なアクションシーンに染まりきっている。まず毎朝、目覚めた瞬間から謎の殺し屋に刃物で襲われたかと思うと、なんと窓の外からヘリでマシンガンを叩き込まれる。それをクリアすると今度はカーチェイスとなり、爆弾で吹き飛ばされ、刀で首を落とされる。といったシーンが延々と続き、殺された瞬間に翌朝のシーンへと繋がって行くというエンドレス展開なのだ。
 よく考えるとこれは、ゲームの世界と全く同じ仕組みではないか……。そして何度も同じことを繰り返しているうちに、だんだん上達して次のレベルへ向かうことになる。そしてお姫様いや元妻を救出しない限り、世界破滅のバッドエンディングを迎えることになってしまうのだ。

 とにかく休む間もなく考える暇もないまま、次から次へと敵が現れてだんだん厳しくなり、ボスまでたどり着くのは至難の業。そしてボスよりも、サブボスである剣を振るう中国娘が一番の難敵であった。こいつには銃もいやマシンガンさえ通用しないのだ。それほど超スピードで剣を操るのである。何度挑んでも殺されるだけ、さてどうすればこいつを倒せるのか、ヒントはタイムループを利用するのだ。

 タイムループ映画は1983年に公開された『時をかける少女』にはじまり、『恋はデジャ・ヴ』、『リバース』、『タイムアクセル』、『ターン』、『バタフライ・エフェクト』、『デジャヴ』、『トライアングル』、『ミッション: 8ミニッツ』と続き、最近では『ハッピー・デス・デイ』、『パーム・スプリングス』などが製作されており、すでに一つのジャンルを形成するようになってしまった。
 私はこのジャンルが大好きでたまらないのだが、それは30年以上昔に『恋はデジャ・ヴ』を観て大感動したからである。いま観ればそれほど大袈裟に感動しないかもしれないが、やはりタイムループ映画の草分け的存在というのは影響力が強いのだ。またタイムループと言っても、その中身はタイムループを利用した恋愛もの、コメディー、ミステリー、アクション、ホラーなどに細分化されるため裾野も広く、今後もさらに多くの作品が製作されるであろう。
 
 
評:蔵研人

めぐる未来3

めぐる未来

 毎週木曜の深夜に放映している日テレのテレビドラマである。
 主人公の襷 未来は、感情に大きな起伏があると過去に戻る「リフレイン」を発症してしまう。それで少年の頃から人となるべく拘わらず、感情を抑えて生きていた。
 だが運命的に出逢って結婚した明るく無邪気な妻・めぐるが何者かに殺害されてしまう。それで彼は禁を破って、まだめぐるが生きている過去に戻って彼女を救出する。ところがその後も彼女は何度も襲われることになり、その都度彼は過去に戻ることになる。だがリフレインを起こすたびに、だんだん彼の体力が消耗してきて、命の危険が生じてしまうのだった。

 それにしても誰にも恨まれる理由がないめぐるが何故殺害されなくてはならないのか、犯人は一体何者なのだろうか……。そんな興味だけでどんどん引っ張られて、とうとう最終回の10話まで観る羽目になってしまったのだが、ストーリー的にはそれほど面白いわけではなく、主役の萩原利久のボサーッとした学芸会並みの演技にもホトホト疲れ果ててしまった。
 どうしてテレビドラマには、引っ張るだけで内容の薄っぺらなものが多いのだろうか。これは日本だけではなく世界的な傾向のような気がするのは僕だけであろうか。

 最後にこの手のドラマに付きものの疑問なのだが、主人公が気を失って過去に戻ること自体は良いとしても、それまで暮らしていた人生はその後どうなってしまうのだろうか。結局は過去に戻るたびに、パラレルワールドが発生しているのであろう。ただそれならば、なぜもともとそのパラレルワールドにいた自分と遭遇しないのだろうか。などと余計なことを考えてしまうのである。
 

評:蔵研人

一分間タイムマシン

1分間

★★★☆
製作:2014年 米国・英国 上映時間:6分 監督:Devon Avery

 なんとたった6分間の超ショート映画である。舞台はとある公園のベンチだけ。登場人物は男女二人だけ。
 女性を口説くために、1分前にタイムスリップできる携帯タイムマシンを使って、何度も女性にアプローチする男性。その努力が報われて次第に彼女の心を射止めて行くのだが、そこには悲惨な結果が残されていたのだ。 (これから先はネタバレとなるので要注意のこと)
 つまりタイムスリップする都度、男は死亡してしまい、男のコピーだけがパラレルワールドに跳ぶ、という繰り返しの結果が現在の状況だったのである。そのためにパラレルワールドには、男の死体と驚愕する女がいくつも残されていたという結末であった。

評:蔵研人

TENET テネット

テネット
★★★☆
製作:2020年 米国 上映時間:150分 監督:クリストファー・ノーラン

 突然ウクライナ・キーウのオペラハウスにおけるテロリストによる立て籠り事件が勃発するシーンから始まる。オペラハウスに集まっている大勢の観客たち、このエキストラ数だけでも驚かされるのにだが、いきなり舞台でドンパチが始まり観客全員がガスで眠らされてしまい、その後この巨大劇場は大爆破されてしまう……とにかく圧巻圧巻としか言いようがないオープニングなのだ。
 だがこれが何のために仕組まれたのか、一体首謀者は誰なのかもよく分からないまま、全く異なるシーンへ移動してしまう。今度は鉄道の操車場で椅子に縛られた男が拷問を受けている。ところが男は敵の目を欺き、自殺してしまうのだが……。なんと次のシーンでその男はベッドの上で目覚めているではないか。とにかく観客に次々に謎を振り撒きながら、どんどん次のシーンへとコマ送りされてゆく。

 そしてオープニングのオペラハウス襲撃の真相が、「プルトニウム241」を奪取したCIAスパイを暗殺するための偽装工作だったと解明されるのが上映50分後というサービスの悪さにも辟易してしまうだろう。
 そんなことはさておいて、超美麗な映像や景色に加えて、さらに激しいアクションシーンが続く。大型飛行機の暴走と爆発、消防自動車と大型トラックを絡め、逆走カーチェイスまで飛び出してくるのだ。だがこの映画を単純なアクション映画と思ってはいけない。

 じつはタイトルのTENETとは、第三次世界大戦を阻止する為の謎の存在であり、オペラハウスで奪ったプルトニウムの正体は未来人が作り出した時間逆行装置の「アルゴリズム」の1つなのだという理論物理学が散りばめられているのだ。また各所に大規模アクションシーンが織り込まれてはいるものの、登場人物の相関関係もよく分からないばかりか、ストーリー自体や本作を構成する世界観もいまひとつ理解できないまま、どんどん上映時間が消化されてゆくのである。

 そしてなんと上映120分後に、やっと事態がはっきりと見えてくるのだ。ただ「時間挟撃」という概念を含むラストの戦闘には多くの観客がかなり混乱することは間違いないだろう。難解な世界観と派手なアクションとの融合ということでは、あの『マトリックス』を彷彿させられる。またストーリーのコアとなるものが結末となる構成というしかけでは『メメント』に近い作品とも言えるかもしれない。
 だがはっきり言って本作はストーリー自体に全く面白みを感じないし、理解すべく解釈論が余りにも面倒くさいのだ。まあ一部のマニアックなファンには賞賛されるかもしれないが、たぶん観客の90%以上は置いてけぼりを喰らったと思われる「超難解映画」であった。


評:蔵研人

かがみの孤城5

tt@nk

著者:辻村深月

 不登校の少年少女たちを描いた社会派小説なのだが、『不思議の国のアリス』を思わせるような鏡の中の世界が舞台になっているファンタジーのようなノリで本作を読み始めた。なお本作はすでに漫画化され、舞台公演も終わり、アニメ映画も上映され、なんと累計発行部数は200万部を楽に突破し、本屋大賞も受賞している大ヒット作なのだと付け加えておこう。

  中学1年生の女子・安西こころは、同級生からのいじめが原因で不登校が続き、子供育成支援教室にも通えず、ひとり家に引き籠もる生活を続けていた。そんな5月のある日のことである、突然自分の部屋にある大きな鏡が光り出し、その中に吸い込まれてしまう。
 そこはオオカミさまという狼面をつけた謎の少女が仕切る絶海の孤城で、自分と同じような悩みを抱える中学生リオン、フウカ、スバル、マサムネ、ウレシノ、アキの6人が集まっていた。そしてオオカミさまは、「この孤城の中に隠された『願いの鍵』を見つけた1人だけが願いの部屋へ入ることができ、どんな願いでも叶えられる」のだと説明するのだった。

 この孤城以外の現実世界では、いじめにあって不登校になっている少女・こころの心象風景を黙々と描いているのだが、なぜ突如として鏡の中の孤城というファンタジックな世界が出現したのであろうか。もしかするとこころの心の中で創造された世界なのだろうか、と考えていたのだがどうもそうではないようだ。
 またこころ以外の6人の少年少女たちは、なぜこの弧城に集められてきたのだろうか。だがどうして彼らは現実世界では会うことができないのか。それに6人は日本に住んでいるのに、なぜリオンだけがハワイに住んでいるのだろうか。
 また『願いの鍵』と『願いの部屋』は孤城のどこにあるのだろうか。さらには本当にどんな願いも叶うのだろうか。それにあのオオカミさまはなぜ狼面をつれているのか、そして彼女の真の正体は……といろいろ謎がバラ撒かれていて興味が尽きない。

 そしてエンディングでは、全く予想外のどんでん返しが用意されており、これらの謎がすべて解明される。それだけではない、涙・涙・涙の三度泣きで感動の渦に巻き込まれてしまうのだ。とにかく震えが止まらないほど見事なエンディングであり、ファンタジー・ミステリー・社会派ドラマ・愛情物語の全ての要素を取り込んだ素晴らしい小説だと絶賛したい。


評:蔵研人

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